目次
[非表示]こんにちは。請求業務をかんたんにするクラウドサービス「MakeLeaps(メイクリープス)」事務局です。
請求書を電子化することで、請求書関連の手作業の工数やコストを削減できます。電子化した請求書は、法律的にも問題ありません。この記事では、請求書の電子化に関連する法律をふまえながら、電子請求書を発行するメリットや、電子請求書の種類、利用時の注意点を解説します。
請求書の電子化とは?
「請求書の電子化」とは、Web上で請求書を電子データ(PDFなど)として発行することです。電子化した請求書は、顧客にメールやWebを経由して送付できます。
請求書の電子化が進む背景
昨今、企業では請求書を含んだ紙文書の電子化が進んでいます。「電子帳簿保存法」と「e-文書法」の2つの法律で、以下が認められたことがきっかけです。
法律名 | 認められたこと |
電子帳簿保存法 (1998年7月施行) ※国税庁が管轄する法律 | 以下3種類の紙文書全般、もしくは一部を電子データで保存すること ①帳簿(仕訳帳や現金出納帳など) ②決算関係の書類(貸借対照表や損益計算など) ③証憑類(請求書や注文書など) |
e-文書法 (2005年4月施行) | 電子帳簿保存法で認められた帳簿や決算関係の書類、証憑類以外の、紙での保存義務があった文書全般を電子データとして保存すること |
上記2つの法律が施行された時点では、
・電子データとして保存できるのは3万円未満の請求書など
・電子署名が必要
などの要件があったため、請求書を始めとする紙文書の電子化を導入する企業は多くありませんでした。
しかし、2015年と2016年の税制改正で要件が緩和、さらに2020年10月にはキャッシュレス決済において紙の領収書での保存は不要とされ、電子データの利用明細を領収書代わりにできるようになりました。さらなる規制緩和が追加されたため、今後請求書の電子化はますます進んでいくと予想されます。
電子化した請求書の送付は法律的に問題ないのか?
電子化した請求書を顧客に送ることは、法律的に問題はありません。
ただし、電子請求書を受け取る顧客側にも、紙での送付を求められることがあるので説明します。
電子化した請求書を送る側の注意点
電子化した請求書を送るときは、顧客が電子請求書のメリットを得られるかの確認が必要です。
特に、紙の請求書の保存が必須である顧客の場合は、注意が必要です。顧客側の対応として、電子請求書を印刷しなければならず、その手間とコストが発生してしまう可能性があり、デメリットとなりえます。
電子化した請求書を受け取る側の注意点
電子請求書を受け取る側は、電子帳簿保存法とe-文書法で定められた以下3つの要件を満たす必要があります。
要件①電子データ保存を開始する3カ月前までに税務署へ申請する
電子請求書をデータとして保存する場合は、保存を開始する3カ月前までに税務署へ申請しなければなりません。これまで紙で保存していた請求書を電子化して保存する場合も該当します。
要件②電子化した請求書の真実性を確保する
電子化した請求書の真実性を確保することも求められます。
「真実性の確保」というのは、「請求書の内容が正しいことを証明すること」です。具体的には、以下の要件を満たして保存しなければなりません。
【真実性を確保する要件】
・記録事項の訂正・削除を行った場合の事実内容を確認できること
引用元:はじめませんか、帳簿書類の電子化!|国税庁
・通常の業務処理期間が経過した後の入力履歴を確認できること
要件③電子化した請求書の可視性を確保する
電子化した請求書は可視性の確保も求められます。
「可視性の確保」というのは、「請求書を明確に視認できるようにすること」を意味します。保存要件は、以下の通りです。
【可視性を確保する要件】
・電子化した帳簿の記録事項とその帳簿に関連する他の帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認できること
・システム関連書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)を備え付けること
・保存場所に、電子計算機、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、記録事項を両面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できること
・取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた主要な記録項目により検索できること日付又は金額の範囲指定により検索できること
・二つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること
引用元:はじめませんか、帳簿書類の電子化!|国税庁
電子請求書を始めとした帳簿データの保存について詳しくは、国税庁の「はじめませんか、帳簿書類の電子化!」をご参照ください。
電子請求書の3つの種類
電子請求書の種類は、大きく3つに分けられます。ここでは、電子請求書の3つの種類について解説します。
1.メールで添付ファイルを送信する形式
請求書をPDF化して、メールで添付ファイルを送信する形式です。メールアドレスさえあれば送付できるため、特別なシステムを組む必要はありません。一方で、誤送信のリスクがある点や、セキュリティリスクが高い点がデメリットといえます。
2.Webサイトよりダウンロードする形式
PDF化した請求書をWebサイトにアップロードする形式です。受信者は、共有されたURLをクリックすれば、請求書をダウンロードできます。ただし、一定期間すぎるとデータが消えてしまうサービスもあるため、注意が必要です。
3.システム上で作成・送信する形式
システム上で請求書を作成し、送信する形式です。請求書作成から管理まで、すべてシステム上で作業を完結できるため、業務を効率化できます。ただし、専用システムを導入する必要があることから、一定の導入コストが必要です。
電子化した請求書を発行するメリットは?
電子化した請求書を発行すると、次の5つのメリットを得られます。
1. 請求書発行にかかるコストを削減できる
紙の請求書の場合、紙代と印刷のためのインク代、封筒代、切手代が発生しますが、電子請求書を発行する場合はこのようなコストは発生しません。請求書関連業務において、大きなコスト削減を実現できます。
2. 請求書関連の手作業工数も削減できる
紙で請求書を発行する場合、請求内容を記載したり、請求書を封筒に入れたりと様々な手作業が発生します。
一方、電子請求書は、Web請求書システムにアップロードするだけで即座に発行できるため、紙の請求書の発行で発生する手作業を大幅に削減できます。請求書作成業務の改善にもつながります。
3. セキュリティ対策が向上する
電子請求書をWeb請求書システムのサーバーにアップロードすると、セキュリティ対策の向上につながります。誤った顧客に請求書を送信してしまっても、サーバー上で削除できるため情報漏えいを防げるのです。
また、セキュリティ強度が高いサーバーを使えば、通信データが盗まれやすいメールシステムと比べると安心して電子請求書を送付できます。セキュリティに関する顧客の不安も解消できるでしょう。
4. 請求書の検索や管理が容易になる
紙で請求書を管理していると、顧客からの問い合わせで請求書を確認したいときは、その請求書を探すのに手間と時間がかかってしまいます。
一方、電子請求書は、データとしてWeb請求システムに保存されるため、特定の請求書をすぐに探せます。顧客からの問い合わせに、素早く対応できるようになるのです。
5. 請求書発行当日に送付できる
顧客によっては、月次決算のときなど請求書が特定の日に手元にないと、業務上支障が出る場合もあります。紙の請求書は顧客に郵送する必要があるため、投函する日時によっては顧客が請求書を欲しいときに届けられません。
一方、電子請求書は、発行当日にメールに添付したり、Web請求システムのサーバーにアップロードしたりするだけで顧客へ届けられます。顧客が請求書を必要とするときまでに、手元へ渡るようにできるのです。
ほかにも、さまざまなメリットが考えられますので、請求書の電子化に向けて、ぜひ検討してみてください。
電子化した請求書を発行するデメリットは?
電子化した請求書は、多くのメリットがある反面、デメリットもあります。ここでは、電子化した請求書を発行するデメリットについて解説します。
1.取引先の了承をもらえない可能性がある
電子化した請求書を導入する際には、取引先との調整が必要になります。なかには、「郵送で請求書を送付してほしい」「FAXで請求書を送ってほしい」などのように、紙の請求書にこだわる取引先も一定数います。
2.導入・運用コストがかかる
電子化した請求書が発行できるシステムを導入するにあたり、初期費用や運用コストがかかる点がデメリットといえます。コストを抑えたい場合は、IT導入補助金の活用をおすすめします。
電子化、Web請求書を利用する際に注意すべき5つのポイント
電子化した請求書を利用するときは、注意すべきこともあります。5つのポイントがあるので説明します。
1. 電子取引した場合は「電子帳簿保存要件」を満たさなければならない
電子化した請求書は、紙に出力せずに顧客へ送付すると、電子取引のデータとみなされます。この場合、「電子帳簿保存要件」を満たして電子化した請求書を保存する必要があります。
<電子帳簿保存要件>
①電子データの事務処理規定を定めて、いつでも参照できるように備え付けること
②電子データにタイムスタンプを付けて送信日時を確認できるように送ること
上記の要件は、どちらかを満たせば問題ありません。
2. 請求書を電子化について顧客から同意をもらう
請求書の電子化を進めたい場合は、顧客の同意をもらうようにしましょう。
顧客に請求書を郵送するとき、請求書電子化の案内状を同封すると有効です。案内状は、
1. 複数回に渡って送付する
2. 顧客にどのようなメリットがあるのかを記載する
の2点を意識すると、顧客からの同意を得やすくなります。
3. 電子請求書にも印鑑があると良い
電子化された請求書に押印がなくても、法律上の問題はありません。
しかし、中には押印がある請求書でないと、支払処理ができない顧客もいるでしょう。そんな顧客に配慮して、電子化した請求書には紙の請求書と同様に電子印鑑を押印することをおすすめします。
4. 海外に発送する場合はフォーマットを確認する
電子化した請求書を海外に送る場合、言語などの違いから国内のフォーマットと異なる場合があり、場合によっては請求書の確認ができなくなるので注意が必要です。フォーマットが異なる場合に備えて、請求書の電子化サービスで、フォーマットを変更できるかどうか確認しましょう。
5. 情報漏えい対策を行う
電子化した請求書をメールに添付して送ったり、Web請求書システムにアップロードしたりするときには、情報漏えいなどのリスクがあることを忘れてはなりません。
電子化した請求書を発行するときは、セキュリティ強度が高いサーバーを利用したり、データを暗号化して情報が盗まれないようにしたりして、情報漏えい防止のための対策を徹底するようにしましょう。
クラウド型請求管理サービス「MakeLeaps(メイクリープス)」の利用がおすすめ
電子化した請求書を導入する際には、クラウド型請求管理サービス「MakeLeaps(メイクリープス)」の利用をおすすめします。以下では、「メイクリープス」の機能・メリットを解説します。
「メイクリープス」の機能・メリット
「メイクリープス」は、クラウド上で、請求書・見積書・発注書・納品書・検収書・領収書などの9種類の書類を簡単に作成できる、請求管理サービスです。請求業務がシステム上で完結できるため、従来の請求業務時間を約80%削減できます。
また、作成した書類はワンクリックで発送可能です。書類を電子送付する機能に加えて、郵送作業を代行するサービスもあります。
まとめ
請求書を電子化することは、法律上、問題はありません。発行する側は、請求書作成・発送の改善を期待できるというメリットを得られます。
ただし、実際に請求書を電子化するときは、顧客の同意を得る必要があります。請求書を電子化することのメリットを説明したり、情報漏えいを防ぐための対策を講じたりすることが大切です。請求書の電子化を進めて、請求書作成・発送業務の改善につなげましょう。
クラウド型請求管理サービス「メイクリープス」は、請求業務を効率化するクラウドサービスです。請求書の電子化を検討している方は、まず無料のサービス紹介資料をご覧ください。