経費精算に領収書は必要なの?リモートワークでも簡単に経費精算する方法を解説

2023年12月26日

こんにちは。請求業務をかんたんにするクラウドサービス「MakeLeaps(メイクリープス)」事務局です。

正しく経費を計上しようと思っても、ルールが煩雑で処理方法に困っている人は少なくありません。この記事では、経営者や経理担当者に向けて、経費精算に必要な領収書の取り扱いについて解説します。領収書を紛失した場合の対応方法や、電子保存についても解説しているので、経費精算の際に役立ててください。

経費精算とは?

はじめに、経費精算とは何かを具体的に解説します。

経費精算とはどのようなもの?

経費精算とは、従業員が業務遂行に必要な費用を立て替えた際に、会社から払い戻しを受けるための申請手続きのことを指します。得意先を訪問する際の交通費や接待交際費、通信費や雑費などを立て替えた場合に、信憑性があれば同額の払い戻しができます。

申請後は上司・経理部門などの承認を経て、規定の日に払い戻しを受けられます。

経費精算には領収書が必要

経費精算をするには、確実に立て替えたと証明できる領収書が必要です。領収書に該当するかどうかわからない場合、取引があった年月日・取引相手の名前・購入した品物の名前や個数・代金が記載されているかの4点を確認しましょう。取引相手・購入した品物・金銭を受領したことが記載されていれば、レシートでも問題なく経費として申請できます。

 

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領収書の電子保存はなぜ進まなかったのか

電子保存の動きは10年以上前に始まっていたものの、普及しませんでした。ここでは、領収書の電子保存が進まなかった理由を解説します。

電子保存のための条件が厳しかった

領収書の電子保存が進まなかった背景としては、2005年4月に施行された「e-文書法」の条件の厳しさが関係しています。e-文書法とは、紙の保存が必要だった領収書等の書類を電子データで保存できるという法律です。

2005年に施行されたe-文書法には下記のような条件が課せられていました。

・電子保存に対応している領収書は額面3万円未満のみ

・専用のスキャナで読み取った電子データでない限り電子保存が認められない

・事前に所轄税務署長による承認が必要

・電子署名やタイムスタンプが必要

専用スキャナが必要

領収書の電子保存は専用スキャナが必要で、かつ手間を要するため、導入は現実的ではありませんでした。しかし、電子保存が広がらない情勢を顧みて、2015年3月に改正された「e-文書法」によって、スキャン時のサイズやカラー保存の要件が撤廃されています。

さらに2016年のスキャナ保存の要件改正で、デジタルカメラ・スマートフォンの利用が認められるなど、要件が段階的に緩和されつつあります。

参考:国税庁|令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて

経費精算がリモートで行われにくい理由

要件が緩和傾向にあるにも関わらず、なぜリモートワークで経費精算が行われにくいのか、導入のハードルを上げている理由を解説していきます。

領収書の原本を提出する必要がある

領収書を経費精算する際は、企業によっては原本の提出を規定しています。しかし、電子帳簿保存法で定められた保存要件を満たし、適切に電子保存していれば、領収書の原本を処分することが可能です。電子帳簿保存法の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。

※参考:電子帳簿保存法についてわかりやすく解説!2022年1月施行の改正内容のポイントも紹介 | MakeLeaps

承認印を上司にもらう必要がある

領収書を申請する際に、直属の上司の承認印が必要な企業は少なくありません。申請書類が電子化されていない場合は、印刷して物理的に押印してもらう必要があります。手間がかかるうえに、やり取りするまでに時間がかかるため、リモートワークでの経費精算は進めにくいという側面があります。

手渡しが必要な小口現金

リモートワークで経費精算を進めにくい理由の一つとして、小口現金の存在が挙げられます。企業の中には経費精算の手間をなくすために、立て替えた金銭が少額の場合は、小口現金で精算しているところがあります。

小口現金は、切手・文具代・交通費などを立て替えた際に、直ぐに払い戻しするための現金のことです。立て替える金額があらかじめわかっている場合は、事前に支払っておく方法もあります。小口現金は手渡しでやり取りされるため、リモートワークでは対応が難しくなります。

経費精算をリモートで行うための手続きとは

ここからは、経費精算をリモートワークで行うための手続きについて取り上げていきます。

経費精算の電子申請化

従来は経費を計上する際は、金銭を立て替えた従業員が申請書を承認者へ提出して、直属の上司や経理部門の押印をもらい、払い戻しを受けるのが一般的でした。しかし、電子申請や電子保存を導入すれば、クラウドサービスなどを活用して、いつどこにいても経費精算ができるようになります。

承認の状況も可視化されるので、スムーズに払い戻しを受けられる可能性が高まります。また、クラウドサービスによっては経費精算だけでなく、他書類のやり取りも行えるため、業務効率を高めることに一役買うでしょう。

領収書をペーパーレスに

経費精算をリモートワークで行うには、申請書類のやり取りを電子化し、ペーパーレスにする必要があります。申請書類だけでなく、領収書もカメラ・スマートフォン・スキャナで取り込んだデータのやり取りに移行することが求められます。今後、領収書も電子取引に移行するなら、2022年からは電子取引した書類は全て電子保存しなければならないため注意が必要です。

小口現金をやめる

小口現金は手渡しする必要があるため、リモートワークでは活用しづらく、精算時に出社する手間を要します。小口現金を使用している企業は、法人用のクレジットカードを用意すると従業員が出社する手間を省けて便利です。さらに、経理担当者が小口現金で都度精算しなくて済むようになるため、管理コスト削減にも繋がります。

経費申請をリモートワークにするメリット

以下に、リモートワークで経費申請や精算を行うメリットを解説していきます。

業務の手間を省ける

経費精算をリモートワーク行うメリットとして、クラウドツール導入によりルールに反する申請をブロックしてくれるため、差し戻されるリスクを減らせます。

さらに、申請フローが可視化されるのでどこまで手続きが進んでいるか状況がわかりやすく、申請書類や領収書を紛失する心配がなくなるでしょう。経理部門でも金額や申請内容を確認しやすくなり、手作業によるミスを減らせるため、業務の手間を省けます。

コスト削減につながる

紙書類で経費精算を行う場合は、回収・保管にコストがかかります。領収書の帳簿書類は事業年度の確定申告後、7年間の保管が義務づけられているため、保管場所や書類の廃棄に大変な労力を必要とします。

領収書の電子取引や電子保存ができるようになると、領収書の保管や廃棄、移送にかかるコストが一切不要です。さらには、領収書の貼りつけやデータの突き合わせなどにかけていた時間や人件費の削減が期待できます。

領収書を紛失した場合の経費精算方法

経理担当者として困るのは、従業員が領収書を紛失した際の対応です。ここでは、領収書を紛失した場合の経費精算方法を解説します。

領収書の再発行を依頼する

紛失に気付いた時点で、発行元の企業や店舗に、領収書の再発行を依頼してみましょう。ただし、領収書の再発行は義務ではありません。不正利用を防ぐために、企業によっては受け付けていない場合もあります。

レシートで代用する

領収書の原本を紛失しても、レシートがあれば経費として精算できます。支払日、支払先の名称、支払金額、支払目的が記載されていれば、根拠資料として認められます。感熱紙のレシートは、耐久性が低く、時間の経過とともに印刷が薄れてしまう点には注意が必要です。

出金伝票に記録する

再発行ができず、レシートがなければ、出金伝票に記録しましょう。出金伝票に記録することで、冠婚葬祭といった領収書が発行されない出費と同様に、証明書の代わりとして税務上の経費精算処理が可能となる場合があります。支払日、支払先の名称、支払金額、支払目的を記載し、取引内容を正確に書面に残します。

経費精算システム導入の注意点

経費精算システムの導入時に注意したいポイントをピックアップしていくので、以下を踏まえて導入しましょう。

社内体制の整備を行う必要がある

2015年に電子保存の要件が緩和された後、複数の事務担当者が相互チェックするなど、定期検査の体制が必要でした。しかし、2022年からは相互チェックや定期検査が不要になり、申請が楽になります。

しかし、従来通り電子データの取引授受後は、タイムスタンプの付与が必要です。データを授受してから最長2ヵ月、概ね7営業日以内の付与、もしくはデータの修正・削除の履歴を残さなければなりません。タイムスタンプの受領、あるいは履歴を残せるように法改正に対応できる経費精算システムを導入し、社内体制を整えることが大切です。

経費精算業務の見直しも必要

経費精算システムを導入する際は、業務の見直しも欠かせません。2022年から電子取引における書類は、電子保存が義務付けられ、紙で受領した領収書は、保存方法が自社の判断に委ねられています。紙保存と電子保存の2種類で運用すると管理が複雑になるため、領収書は電子保存での一括管理がおすすめです。操作性の高いシステムを導入すれば、業務効率化が期待できます。

まとめ

経費精算のペーパーレス化は進んでおり、領収書や申請書類、見積書を電子取引するニーズが高まっています。発行側と受領側双方にとって業務効率化やコスト削減のメリットがあるため、早めに電子化を進めておくことが重要です。

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