領収書に電話番号の記載は必要?領収書の書き方を徹底解説!

2021年12月27日

こんにちは。請求業務をかんたんにするクラウドサービス「MakeLeaps(メイクリープス)」事務局です。

商品やサービスを販売し、顧客から代金を受け取った場合、企業は領収書を発行します。領収書の作成に不備があると、取引相手に迷惑が生じる場合や、余計な税金を払う可能性もあるため注意が必要です。

この記事では、領収書を作成する方法や注意すべき点、領収書に電話番号の記載が必要なのかなどについて詳しく解説します。領収書を正しく作成するための参考にしてください。 

領収書とは

領収書とは印紙税法上における金銭や有価証券の受取書を指します。商品代金やサービスの料金の支払いに関する証憑書類です。証憑書類とは、取引の成立を証明する書類をいいます。領収書は法人税法においては、税務調査や企業経費の申告のための書類となります。

レシートや取引明細書など、金銭の授受を証明できる書類であれば、領収書という名称でなくても、領収書として認められるケースがあります。領収書は全ての取引で必要なわけではありませんが、代金を支払った側が領収書の発行を求めた場合、代金を受け取った側に領収書を発行する義務が生じます。


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類似する書類との違い

領収書と名称や性質が似ており、区別がつきにくい書類があります。ここでは、類似する書類との違いについて解説します。

レシートとの違い

領収書には基本的に宛名が必要ですが、レシートには宛名がありません。この点が両者の大きな違いですが、税法上では宛名がない書類でも代金支払の証明書や商品受取書として認められます。しかし、高額取引の場合は、宛名が記された領収書の信憑性が高いとみなされることもあるでしょう。

仮領収書との違い

仮領収書とは、支払われた金額が一部であった場合、一部の金銭を受け取ったことを証明する仮の書類です。後日全額が支払われたときに、正式な領収書が発行されます。仮領収書も領収書と同様に取引金額によって印紙の貼付が必要です。

預り証との違い

預り証とは、資産を一時的に保管していることを証明する書類です。領収書を発行する場合、代金の所有者は受取人となります。しかし、預り証における資産の所有権は元の持ち主のままです。預り証も国税庁通達によって課税文書とされ、取引金額によっては印紙が必要となります。

領収証との違い

一般的に領収書と領収証に明確な違いはありません。民法上ではどちらも受取証書とされています。国税庁では、領収証やレシート、預り証などの証憑書類は、領収書に含まれるとしています。各法律によって定義が微妙に異なりますが、実務上はほとんど同じ意味です。

領収書作成のルール

領収書には、発行者・取引日・取引内容・金額・書類の受取人の記載が必要です。(消費税法第30条)また、これら以外にも商慣習上、記載する事項がいくつかあります。

領収書の作成において重要なのは、金銭授受取引の事実証明と金額の改ざんを防ぐことです。それぞれについて詳しく解説します。

整理番号

領収書に整理番号(通し番号)があれば、内部監査の際に税務署に対して、経理上の透明性をアピールしやすいです。ただし整理番号の記載は必須ではなく、記載しなくても領収書として認められます。

日付

領収書には取引日(代金の領収日)の記載が必要です。銀行振込の場合、日付は入金日となります。数字の桁を省略して書くことは許されず、正確に記す必要があります。支払いの日と異なった日付を記載し、それを利用して課税を免れた場合は脱税とみなされる可能性があります。

宛名

領収書には宛名(書類の受取人)の記載が必要です。宛名を「上様」とする商慣習もありますが、税務調査で無効とされる場合があります。また、宛名に略称を記載するのは誤認の元となる場合があり、正式名称を記載します。

金額

領収書の金額は、商品代金の税込価格を記載します。改ざん防止策として、金額には3桁ごとに「,(カンマ)」を打ち、数字の頭に「¥」や「金」、末尾に「-」や「※」、「也」などの記号や文字を入れ、数字や記号の間には隙間を開けないことになっています。

但し書き

領収書には取引内容の記載が必要です。提供した商品やサービスの内容を記載する部分を「但し書き」といいます。「品代」など取引内容が不明瞭に書かれた領収書では、税法上の経費として認められない場合があります。

第三者が見ても、どのような取引が行われたのか分かるように「お茶菓子代」や「ガソリン代」など、具体的に記載する必要があります。商品の購入明細書や納品書などを添付することも有効です。

発行者

領収書には発行者の記載が必要です。発行者の氏名や名称、屋号と共に、住所などの連絡先も記載します。手書きで記入する代わりに、社判を押すケースもあります。

印紙

代金が5万円以上の取引では、領収書への収入印紙の貼付が必要です。例えば取引金額が5万円以上且つ100万円以下の場合、印紙税額は200円です。取引金額によって、必要となる印紙の金額も異なります。

領収書に電話番号の記載は必要?

領収書には発行者の情報として、発行者名称と共に連絡先を記載することが一般的です。しかし、税法では、電話番号を含めた住所などの連絡先が記載されていなくても領収書として認められます。商慣習や利便性の面を考慮した場合は、住所か電話番号を領収書に記載するケースが多いでしょう。

領収書作成のポイント

領収書作成におけるポイントをいくつか紹介します。収入印紙を節約する方法や、クレジットカード・電子マネー・ポイント決済について、領収書の交付が省略できる条件などを解説しています。

税抜きでは5万円未満の取引の場合

取引金額が5万円以上の場合、領収書に印紙を貼り付ける必要がありますが、本体価格が5万円未満の取引では印紙が不要です。そのため、領収書の金額は消費税と本体価格を明確に分けて記載する必要があります。

クレジットカード決済の場合

商品代金がクレジットカードによって決済された場合は、領収書を発行する必要がありません。支払人が商品購入者からクレジットカード会社に変更されるためです。クレジットカード決済では、たとえ購入者が領収書の発行を求めても、代金受取人には領収書発行の義務はありません。

電子マネーで決済された場合

電子マネーはプリペイドカードや商品券と同様に、現金と同じように扱われるます。通常の取引と同じように領収書が発行され、また代金が5万円以上なら印紙の貼付が必要です。チャージ式電子マネーの他、即時引き落とし型の電子マネーや、デビットカード決済でも同様です。

ポイントが使われた場合

ポイントによって支払われた分は値引き扱いとなるため、代金受取人が領収書を発行するのは、ポイント以外の現金などで支払われた金額についてのみとなります。現金払いの代金が5万円以上の場合、印紙の貼付が必要です。ただし買い物で付与されるポイントではなく、現金によって購入されるポイントについては、電子マネーと同じ扱いになります。

領収書の交付を省略できる場合

領収書は代金を支払った側が発行を要求したときのみ、代金を受け取った側に発行義務が生じます。当事者間での合意があれば、領収書の発行を省略できます。また、領収書はメールやWeb上で交付することも可能で、その場合には取引金額にかかわらず収入印紙の貼付が必要ありません。

領収書の不備

領収書の作成では、起こりやすい不備がいくつかあります。一般的な不備としては、押印忘れや宛名の間違い、金額のカンマの間違い、印紙の貼り忘れが挙げられます。これらの不備によって領収書が証憑書類として無効になるのか、不備による影響について詳しく解説します。

領収書に押印がない場合

領収書への押印は、税法で必要と定められたものではありません。押印がなくても領収書は書類として有効です。領収書への押印は商慣習として、偽造や改ざん防止を目的に行われます。また、押印があると書類として見栄えが良くなり、信頼性が増すため、領収書への押印が好まれるという側面もあります。

領収書の宛名の間違い

領収書の宛名が間違っていても、書類が法的に無効になるわけではありません。ただし、第三者も確認する重要な書類なので、間違いに気づいた場合は書き直すことがおすすめです。訂正する場合は間違った箇所に二重線を引き、上部に正しい文字を書き入れ、訂正印を押印します。

領収書の記載金額のカンマの位置間違い

領収書の金額のカンマ位置が間違っていても、書類として有効です。カンマは改ざんを防止すると共に、金額を読みやすくするための記号です。位置が間違っている場合の金額は、数字が優先されます。しかし、領収書のカンマ位置が間違っていると改ざんされたようにみえる可能性があるため、書き直しておくと安心です。

領収書への印紙の貼り忘れ

5万円以上の取引で領収書に印紙を貼り忘れた場合でも、領収書としての効力に影響はありません。一方、印紙貼付の義務は領収書発行者にあるため、印紙がない場合発行者には過怠税が課せられます。過怠税の支払い額は、本来貼付が必要とされていた印紙の3倍の金額です。

領収書の作成には専用ソフトがおすすめ

領収書はルールや記載項目が多く、不備があれば取引相手に迷惑がかかることもあります。取引の数が多い企業では、領収書の発行数も多くなり、領収書作成業務が大きな負担になります。

現在手作業やエクセルで領収書を作成している場合は、専用ソフトの導入によって、作成業務の負担を大きく減らせます。また、ミスが減り、業務のテレワーク化も実現できます。領収書の作成には専用ソフトがおすすめです。

まとめ

領収書は複数の法律と関わりがあり、商慣習も多く取り扱いが複雑です。領収書の不備が思わぬトラブルを起こすこともあるため、作成には万全を期す必要があります。

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