Salesforceには、さまざま種類のAPIが用意されており、それぞれに異なる機能や特徴があります。この記事では、SalesforceをAPI連携するメリットや、主なAPIの特徴を解説するとともに、SalesforceとAPI連携できるおすすめツールを分野別に紹介しています。
目次
[非表示]Salesforceの利便性を高めるために行いたいのが、「API連携」です。API連携をしてSalesforceを外部ツールとつなげることで、より使いやすいようにカスタマイズすることができます。ここでは、API連携の基本から主なSalesforce APIの特徴、連携できるツールをご紹介。導入の検討材料にしてください。
Salesforceの利便性が向上するAPI連携とは?
APIとは、「Application Programming Interface」の略です。そのまま日本語に訳すと、「アプリケーションをプログラミングするためのインターフェース」という意味になります。
インターフェースとは「何かと何かをつなげる」という意味があり、例えば、パソコンとスマホをつなげるケーブルがインターフェースに当たります。
つまり、APIとはソフトウェア同士を接続するインターフェースのことを指すのです。
また、APIを使ってほかのソフトウェアとの接続・連携を可能にすることを、「API連携」と呼びます。
API連携を行うことにより、ソフトウェアの機能を他のソフトウェアと共有。外部サービスを利用できるようになり、機能性の拡張や使いやすさの向上が期待できます。
APIの用途・メリット
Salesforceには10種類以上のAPIが存在し、それぞれ異なる機能を提供しています。Salesforce単体では不足する機能や、強化したい機能をAPIで補えるのが一番のメリットです。
すでにあるAPIを連携すれば、自社で1からシステム開発をする必要がないため、開発効率の向上につながります。さらに、認証機能などが付いたAPIを連携すれば、セキュリティの向上なども期待できます。
主なSalesforce APIの特徴を解説!
Salesforceで公開されている、6種類のAPIの特徴を解説します。自社にとって機能性や利便性の向上につながるAPIがあるかどうか、検討の材料にしてください。
SOAP API
もっとも歴史があり、標準的なAPIがSOAP APIです。メッセージを記述する言語にXMLを使用するため、Webサービスの利用に適しています。機能としては、レコードの操作やメタデータの取得、パスワードの管理やメールの送信などが挙げられます。大容量データを扱うことも可能ですが、次に挙げるBulk APIのほうが効率性は高いです。
Bulk API
Bulk APIは、SOAP APIよりも効率のよいAPIです。千から百万単位のレコードの読み込みといった大量のデータ処理に適しています。CSVファイルを使って大量のデータ処理を可能にするため、業務の効率化につながるところがメリットです。
REST API
REST APIは実装が簡単で、さらに通信量も抑えられるため使い勝手もよく、軽量なデータの操作に使えるAPIです。ブラウザアプリやモバイルとの連携に適しています。ただし、大容量のデータを扱う際はほかのAPIを利用したほうがいいでしょう。
Streaming API
Streaming APIは、プッシュ技術を用いてサーバーからクライアントに情報を転送するAPIです。何かイベントがあった際に動作する仕様のため、データ更新の際の通知に利用するとAPIのコール数を減らすことができ、効率的です。ただし、APIの制限上、プッシュ通知の保証が難しいため、コアデータのやりとりには用いることができないことに注意しましょう。
Chatter REST API
Chatter REST APIは、会社内の情報共有に利用されるSNS・Chatterの操作に最適なAPIです。SOAP APIなどでもChatterの操作は可能ですが、専用APIであるChatter REST APIが最も適しています。モバイルアプリケーションやサードパーティのアプリケーションをSalesforceに統合することができるため、情報共有がより手軽になるでしょう。
Tooling API
Tooling APIは、ApexやVisualforceの開発者に向けた機能を持つAPIです。既存のforce.comへの機能の追加や、特定のサービス専用の開発ツール作成などができます。
SalesforceとAPI連携できるツールを紹介!
Salesforceには多くのAPI連携ツールが存在します。やりたいことに特化したツールを利用することで、より効率的に業務を進めることが可能になるでしょう。代表的なツールには、以下のようなものが挙げられます。
- MA、CMS:Marketo
- BIツール:Motion Board
- 電子契約:クラウドサイン
- 社内外コミュニケーションツール:Slack
- 契約・請求管理:メイクリープス
特に、営業担当者と経理の連携が不可欠な請求管理に使えるメイクリープスは、業務の負担軽減にもつながるため、使っておきたいサービスです。クラウド上で請求書の発行・発送が自動的にできるようになります。
また、契約管理も一緒に行えるため、営業担当者の異動・退職や、過去の取引先からの急な連絡にも慌てずに対応することができます。マーケティング面でのサポートも期待できるツールですので、Salesforceと一緒に導入するのもいいでしょう。
Salesforceの連携ツールを導入する際の注意点
Salesforceの連携ツールはどれも魅力があり、導入すれば業務の効率化が叶うように見えます。しかし、闇雲に導入すればいいというわけではないことに注意しましょう。
まず、同じような機能を持ったツールが多数存在するため、どのツールを選ぶか、導入前によく調査することが大切です。また、そのツールの必要性をきちんと検討することも欠かせません。必要のないツールを増やしても、利用が定着しないという事態に陥るためです。
さらに、部門ごとに独自のツールを導入して、部門間の連携が非効率にならないように注意しておきましょう。各部門でほしいツールのピックアップとは別に、別部門のツールと連携しやすいかどうかを判断することも大切です。
また、連携ツールの導入自体が目的にならないように、何のために、どのような効果を見込んで導入するのかを社内で明確化しておきましょう。
Salesforceの利便性を高めるためには、API連携できるツールの導入がおすすめです。連携ツールを導入することにより、機能性の拡張や使いやすさの向上が期待できます。ただし、導入する際にはどのツールを導入するのか、本当に必要なツールなのかをしっかりと検討することが大切です。部門間での連携が非効率になるなどのデメリットが想定できるため、闇雲にツールを増やすことは避けましょう。