2020年改正電子帳簿保存法の内容を徹底解説!2022年の改正ポイントも紹介

こんにちは。請求業務をかんたんにするクラウドサービス「MakeLeaps(メイクリープス)」事務局です。

電子帳簿保存法は、数回にわたり改正を繰り返してきました。直近では2020年と2022年に、法改正が実施されています。なお、2022年1月現在、最新の法改正は2022年1月に施行されました。

この記事では、2020年に改正された電子帳簿保存法の内容から、2022年の法改正のポイントまで詳しく紹介します。ペーパーレス化やテレワークの推進に向け、書類や帳簿の電子データ化を進めましょう。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、規定のルールを満たした帳簿書類について、電磁的記録(電子データ)での保存を認める法律です。電子帳簿保存法では、電子メールなどで受け取った電子取引データも対象となります。

電子帳簿保存法は1998年に制定され、電子帳簿保存法上、電磁的記録による保存は、電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引の3種類に区分されています。

電子帳簿等保存は、パソコンで作成した書類や帳簿をデータのまま保存する方法です。スキャナ保存は、受領した紙の書類などをスキャンして保存します。電子取引は、メールなど電子的に授受した取引情報データの保存を指します。

※参考:電子帳簿保存法が改正されました|国税庁


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電子帳簿保存法の目的

電子帳簿保存法が施行された背景には、IT技術の進歩があります。政府は、業務の効率化やペーパーレス化を目的に、電子帳簿保存法を制定しました。紙で書類や帳簿を保存する際には、電子取引データを印刷したり、ファイリングしたりといった手間がかかります。一方、電子データ化された書類や帳簿は、保存に要する手間を大いに短縮できます。

電子帳簿保存法の改正の歴史

1998年に制定された電子帳簿保存法ですが、制定当時はそれほど電子データ化が進行しませんでした。電子帳簿保存法の施行がうまくいかなかった理由は、電子データ保存へのハードルの高さです。

電子帳簿保存法は、要件緩和を目的として、たびたび法改正がなされています。2005年には一定の要件を満たせば国税関係書類のスキャナ保存が認められ、2015年にはスキャナ保存できる国税関係の書類の種類が増えました。

2016年にはスマートフォンで撮影した領収書などもスキャナデータとして認められ、2020年には電子取引におけるデータ保存の要件が緩和されました。

なお、2022年1月にも法改正が施行され、要件緩和や、義務化・厳罰化などの動きがありました。

※参考:過去の電子帳簿保存法の改正│国税庁

2020年改正電子帳簿保存法の目的・ポイント

2020年には、税制改正の一環として改正電子帳簿保存法が施行されました。法改正の目的は、業務の効率化と、不正されにくい環境の両立です。

法改正のポイントは、電子取引の要件緩和です。まず1つ目は、電子データの真実性を確保するための措置として、法改正前の「受領者側のタイムスタンプ付与」に加え、「発行者側のタイムスタンプ付与」という選択肢が新たに追加されたことです。これにより、発注者がタイムスタンプを付与すれば、真実性が認められることになりました。

また、データを改ざんできないようなクラウドサービス等を使えば、タイムスタンプが不要となりました。これらの要件緩和によって電子取引における電子データ保存へのハードルが下がりました。

2020年改正電子帳簿保存法の公布・施行日

2020年改正電子帳簿保存法は、2020年3月31日に交付され、2020年10月1日に施行されました。公布から施行までの半年の間に、多くの企業が新たな電子帳簿保存法に対応すべく準備に取りかかりました。

2022年にも改正電子帳簿保存法が施行された

2022年1月1日より、新たに改正電子帳簿保存法が施行されました。法改正後には、電子帳簿等保存やスキャナ保存のための要件が緩和されています。また、電子取引については、要件緩和に加え、電子データ保存を義務化する措置も加えられています。

また要件緩和が進んだ反面、一部ペナルティが厳罰化しています。ペナルティを避けつつ、電子データ化により業務を効率化しましょう。

2022年電子帳簿保存法の改正点

ここでは、2022年電子帳簿保存法の改正点について、国税庁のWebサイトをもとに解説しています。電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引の3つの区分にわけて、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法の特徴を確認します。

電子帳簿等保存とは、パソコン等により電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存する場合を指します。また、スキャナ保存とは、請求書や領収書など紙の書類をスキャンしてデータ化し保存する場合を指します。電子取引とは、メールやEDI取引など電子的に授受した取引情報をデータで保存する場合を指します。

それでは各項目について解説します。

※参考:電子帳簿保存法が改正されました|国税庁

1.電子帳簿等保存について

かつて、国税関係帳簿や国税関係書類の電子データ保存には、管轄の税務署長の事前承認が必要でした。法改正後には2022年1月1日以降に備付けを開始した国税関係帳簿又は保存を行う国税関係書類については事前承認が不要となり、電子データ保存に取り組みやすくなっています。

また、法改正により、2022年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について、優良な電子帳簿の要件を満たして電磁的記録による備付け及び保存を行い、あらかじめ届出書を提出した場合は、過少申告加算税が5%軽減される措置も整備されました。過少申告加算税とは、確定申告で申告漏れがあった際に、ペナルティとして加算される税金です。なお、優良な電子帳簿とは、改正電子帳簿保存法にて定められた優良とされる要件を満たした電子データを指します。

さらに、最低限の要件を満たす電子帳簿でも、電子データによる保存が可能となりました。こちらも、2022年1月1日以後に備付けを開始する国税関係帳簿が対象になります。

2.スキャナ保存について

電子帳簿等保存と同様に、スキャナ保存についても税務署長の事前承認制度が廃止されました。

また、2022年1月1日以後に行うスキャナ保存では、タイムスタンプ要件が緩和されています。法改正前は、スキャナにより電子データ化した際は、速やかにタイムスタンプを付与しなければなりませんでしたが、期間が最長約2か月と概ね7営業日と緩和されました。さらに、データの修正や削除の履歴が残る、または修正や削除ができない且つ入力期限内にデータを保存したことが確認できるといった機能を持つクラウドサービス等を使用する場合は、タイムスタンプ不要となりました。

そして、検索要件も緩和されています。法改正後の検索項目は、取引年月日・取引金額及び取引先に限定されました。さらに、相互けん制、定期的な検査及び再発防止策等の適正事務処理要件が廃止されています。

なお、2022年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について、スキャナ保存された電子データに不正があった場合に備え、重加算税の加重措置が整備されました。要件を満たさない電子化を行なっており過少申告があった場合、重加算税が10%加算されるため注意しましょう。

3.電子取引について

電子取引については、2022年1月1日以後、タイムスタンプ要件と検索要件がスキャナ保存と同様に緩和されています。検索要件については、基準期間の売上高が1,000万円以下の小規模な事業者の場合、税務職員による電子取引データのダウンロードに応じられれば、検索要件のすべてが不要です。

また、電子取引データを適正に保存するために、2022年1月1日以後に行う電子取引については、書面による保存が廃止され、電子取引で発行・受領したものに関しては、電子データで保存することが義務付けられました。書面による保存が制限された理由は、印刷する工程で、不正が行われるリスクを抑制するためです。

※当該義務化の措置については、社内システムの整備等、新たな要件への対応が必要な事業者への配慮として、宥恕(ゆうじょ)措置が追加されています。電子取引データの電子保存については、2023年12月31日までの2年間、一定の条件下において、従来通り電子取引データを紙で保存することも認める措置です。具体的には、「やむを得ない事情があると認められる」「電子取引データを印刷して適切に保存している」といった場合に限り、税務署長の判断により宥恕するか否かが判断されます。そのため、必ずしも特定の条件を満たせば宥恕が保証されるとは限りません。

2年間の宥恕措置が追加されたものの、原則2022年1月から電子取引データの電子保存が求められていることには変わりがないため、必要な準備を進めておきましょう。

なお、スキャナ保存と同様に、重加算税の加重措置が整備されました。電子取引データに隠蔽・仮装などが認められた場合には、重加算税が10%加算されるため気を付けましょう。

まとめ

2020年には業務の効率化と不正をしにくい環境の両立を目的に電子帳簿保存法が改正されました。2022年に施行された改正電子帳簿保存法では、要件緩和があった反面、電子取引における電子データ保存の義務化や違反した場合のペナルティ強化もありました。

法改正の内容を理解し、正しく電子データを保存しましょう。

特に、請求書をメール添付して送付するなどの電子取引において、取引データの電子保存が義務付けられた点には注意が必要です。アナログな管理方法で保存要件を満たすのは難しいですが、書類発行者側の電子保存要件に対応したクラウドサービスであれば、法律に沿った請求書等の作成・発行が可能です。

クラウド型請求管理サービス「MakeLeaps(メイクリープス)」は、改正電子帳簿保存法が電子取引に対して定めた保存要件に対応しています。法律に沿った電子保存ができることはもちろん、電子化による郵送コスト削減や、請求業務の効率化など、さまざまなメリットがあります。

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