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[非表示]企業のWebサイト管理(コンテンツ管理システム)を効率的に行い、変化の激しいビジネスシーンで機敏な情報発信を継続するために、さまざまなツールやサービスが存在します。CMSと呼ばれるコンテンツ管理システムもそのひとつです。
この記事では、CMS選択のポイントとおすすめCMSをご紹介します。
CMS(コンテンツ管理システム)とは
CMSとはContents Management Systemの略で、一般にWebサイトのコンテンツを管理するシステムのことです。
Webサイトは文書や画像、動画などで構成されており、これらをGoogle ChromeなどのWebブラウザで閲覧できるようにするには、HTMLやCSS、JavaScriptといったコンピュータ言語でファイルを作成します。
そのためWebサイトの制作や更新には、これらの専門知識が必要であることが難点でした。
CMSはこの課題を解決するために考えられたシステムです。CMSを利用すれば、複雑な知識がなくてもWebサイトを管理することが可能になります。現在では、多くの企業がCMSを用いてサイトを更新しています。
変化の速いインターネットの世界において、Webサイトを常に最新の状態に保ち、リアルタイムで情報発信をするためにも、CMSは大きな力を発揮します。
CMSの種類
CMSの種類は、以下のような分類で分けることができます。
オープンソース型とプロプライエタリ型
オープンソースとは、ソースコード(プログラミング言語で記述されたテキスト)が一般に公開されたソフトウェアの総称です。ソースコードを広く公開することによって、多くの開発者が開発に参加することができ、そのソフトウェア自体の発展を促すものです。
ソースコードが広く一般に公開されているということは、無償提供されているものを利用できるということでもあります。つまり、オープンソース型CMSは利用料(ライセンス料)が無料です。コストを抑えたい場合、オープンソース型CMSを選択することがひとつの選択肢となります。
一方、メーカーが開発したソフトウェアに対して、利用料(ライセンス料)を支払って使用するCMSがあります。これをプロプライエタリ型CMSと言います。
プロプライエタリ型CMSはオープンソース型と違い、ソースコードは非公開で、ソフトウェア開発メーカーのみが開発します。これはつまり、セキュリティレベルが高いという見方もできます。
インストール型とクラウド型
インストール型CMSは、自社が保有もしくは契約しているWebサーバーにインストールして利用するものです。導入のためには、社内にサーバーの運用に関する知識や経験がある人材が必要ですが、Webサイトを構築する上で自由度が高く、自社でカスタマイズして使用することが可能です。
対するクラウド型CMSは、CMSをホスティングしている企業と契約し、その企業のサーバー内に存在するCMSを利用する形式です。自社でサーバーを保有する必要がないため、サーバー運用に要する人材や維持管理コストを削減できるメリットがあります。ただし、他社のサーバー内にあるソフトウェアを借り受ける形になるため、カスタマイズに限界があり、思うような運用が叶わない場合もあります。
CMS(コンテンツ管理システム)を選ぶポイント
それでは、企業がCMSを利用する際の選定のポイントを紹介します。
自社のセキュリティー・ポリシーに沿ったCMSを選ぶ
通常、企業では社内に有するシステムやデータに関するセキュリティー・ポリシーが策定され、その規定に沿って運用が行われます。
とりわけ厳格なセキュリティー・ポリシーを持つ企業では、オープンソースの利用を禁止することもあります。この場合は、プロプライエタリ型CMSを選択する必要があります。
管理運用および更新のしやすさ
基本的にCMSは、HTMLやCSSの知識がなくても更新ができるように設計されていますが、管理画面の設計や更新手順が複雑な場合もあります。
まずは、導入を検討しているCMSを実際に操作して比較することがおすすめです。有料のCMSはお試し期間が設定されていることが多いので、活用すると良いでしょう。
カスタマイズの自由度
CMSは、プラグインなどと呼ばれる拡張機能によって機能を追加できます。プラグインの有無や内容はCMSによって異なるため、必要な機能を使用できるCMSを選ぶことがおすすめです。
プラグインにない機能を必要とする場合、自社でカスタマイズするか、あるいはシステム開発会社に依頼することになりますが、どこまでカスタマイズできるのかも各社各様です。この点も事前に確認しておく必要があります。
コスト
企業サイトにCMSを導入する場合、一般的にかかる費用を以下にまとめました。カッコ内は、支払先企業です。
- インストール型
オープンソース…サーバー費用(サーバー会社)※1ライセンス費用は無料
プロプライエタリ…サーバー費用(サーバー会社)※1ライセンス費(CMS提供会社)※2 - クラウド型
オープンソース…サービス利用費用(クラウドCMS提供企業)※3
【その他】インストール費用・カスタマイズ費用・有償プラグイン費用など(CMS提供会社またはCMSを実装するシステム開発会社)※4
※1 月額や年額で支払います。CMSの種類やアクセス数に応じて、必要なスペックが異なります。大規模CMSやアクセスの多いサイトでは、サーバー費用も高額になるケースがあります。
※2 買い切り、年払い、あるいはサイトごとに必要な場合など、製品によってまちまちです。必ずライセンス規約を確認しましょう。
※3 実質的にサーバーの費用とライセンス費用が含まれています。月額や年額で支払います。
※4 初回CMS実装時や、追加時に発生します。
CMSの費用はサービスや製品ごとに異なるので、よく精査することをおすすめします。
おすすめCMS(コンテンツ管理システム)紹介
続いて、数あるCMSの中から特におすすめのサービスを「無料」と「有料」に分けていくつかご紹介しましょう。
●無料(ライセンス料)のCMS(オープンソース型)
WordPress(ワードプレス)
(画像出典元:WordPress公式ウェブサイト)
【種類】オープンソース/インストール型・クラウド型両方あり
【費用】無料(オープンソースのため)
【機能】ブログ/固定ページ/メディア管理機能/ユーザー管理機能など
【言語】PHP
【データベース】MySQL
【その他特筆事項】ブログのような感覚でサイトを更新したい人におすすめ
WordPressは、アメリカのAutomattic社が開発するブログ型CMSで、CMSを採用したサイトの中ではシェアNo.1を誇ります。もともとはブログに特化したCMSでしたが、現在ではコーポレートサイトやブランドサイトといった、企業サイトにも積極的に採用されています。
日本では、自社のサーバーにインストールするタイプが有名ですが、海外ではクラウド型のWordPress.comも積極的に利用されています。もちろん日本語での利用も可能で、比較的小型のサイトであれば運用可能です(ただし、カスタマイズに制限があります)。
Drupal(ドルーパル)
(画像出典元:Drupal公式ウェブサイト)
【種類】オープンソース/インストール型
【費用】無料(オープンソースのため)
【機能】ページ作成/ニュース機能/メディア管理機能/ユーザー管理機能/多言語機能など
【言語】PHP
【データベース】MySQL/PostgreSQL
【その他特筆事項】大企業のサイトや、大学などの大規模サイトにおすすめ
Drupalは、アメリカのAcquia社によって開発されたCMSです。大規模サイトを得意としており、多言語サイト機能も搭載されています。過去、ホワイトハウスのサイトに採用されたことで有名になりました。
EC-CUBE(イーシーキューブ)
(画像出典元:EC-CUBE公式ウェブサイト)
【種類】オープンソース/インストール型・クラウド型両方あり
【費用】無料(オープンソースのため)
【機能】商品機能/出荷管理機能/カート機能/お知らせ機能/決済モジュール対応など
【言語】PHP
【データベース】MySQL/PostgreSQL
【その他特筆事項】日本向けECサイトにおすすめ
EC-CUBEは、日本の株式会社イーシーキューブが開発するECサイトに特化したCMSです。WordPressやDrupalでもECサイトを構築することは可能ですが、プラグインの追加などカスタマイズが必要です。その点、EC-CUBEは最初からECのシステムとして設計されているため、容易にECサイトをスタートすることができます。また日本製のCMSであるため、管理画面も最初からすべて日本語表示です。
●有料のCMS(プロプライエタリ型、クラウド型)
Movable Type(ムーバブルタイプ)
(画像出典元:MovableType公式ウェブサイト)
【種類】プロプライエタリ/インストール型・クラウド型両方あり
【費用】90,000円(買い切り)
【無料プラン】なし
【機能】ブログ/固定ページ/メディア管理機能/ユーザー管理機能など
【言語】Perl
【データベース】MySQL/PostgreSQL
【その他特筆事項】企業向けサイト・アクセスの多いサイトに最適
Movable Typeは、日本のシックス・アパート株式会社が開発するブログ型CMSです。先のWordPressは、Movable Typeに影響を受けて開発されており、両者の管理画面はよく似ています。
プロプライエタリ型のCMSであるため企業サイトに強く、多くの法人ユーザーからの信頼を得ています。
またWordPressやDrupalは、アクセスの度に画面を生成する動的CMSですが、それに対してMovableTypeは静的CMSです。画面を構成するHTMLが生成された状態で閲覧できるため、大量のアクセスの対応や表示スピードの面において強いCMSと言えます。
Wix(ウィックス)
(画像出典元:Wix公式ウェブサイト)
【種類】プロプライエタリ/クラウド型
【費用】ドメイン接続プラン→500円/ベーシック→900円/アドバンス→1,300円/VIP→2,500円(全て月額)
【無料プラン】あり(広告が表示されるなど機能制限あり)
【機能】ページデザイン作成/ブログ/ECサイト(決済)機能など
【言語】不明
【データベース】不明
【その他特筆事項】小規模ビジネスのWebサイトにおすすめ
Wixは、イスラエルのWix社によって開発されているクラウド型のCMSです。ドラッグアンドドロップによる直感的な操作性によって、Webに対する知識がない人でも簡単にレイアウトやデザインを作成することができます。
プランは4つに分かれており、金額が高くなるにつれて、使える機能やデータ転送量が増えます。例えば、サイト解析機能は、アドバンスとVIPのみ提供される機能です。
Jimdo(ジンドゥー)
(画像出典元:Jimdo公式ウェブサイト)
【種類】プロプライエタリ/クラウド型
【費用】START→990円/GROW→1,590円(全て月額)
【無料プラン】あり(広告が表示されるなど機能制限あり)
【機能】ページデザイン作成/ブログ/ECサイト(決済)機能など
【言語】不明
【データベース】不明
【その他特筆事項】小規模ビジネスのWebサイトにおすすめ
ドイツJimdo社によって開発されているクラウド型のCMSです。Wixと同じドラッグアンドドロップによる操作体系ですが、Wixよりもシンプルな操作方法で、より直感的に操作することができます。
機能を制限した廉価プランのSTARTと、すべての機能が利用できる上位プランのGROWの2つのプランが提供されています。GROWではサーバー容量15GBに加え、最大50ページまでのサイトの作成が可能です。
まとめ
CMSは、得意とするWebサイトのジャンルが各社異なります。各CMSの公式ウェブサイトで制作事例をチェックし、自社サイトの目的や規模に最適なCMSを選択しましょう。
以下に、ジャンルごとにおすすめのCMSをまとめました。
- ブログやニュースなどの更新記事を中心としたサイト→WordPress、MovableType
- 多言語でのサイト展開を行うサイト→Drupal
- 日本におけるECサイト→EC-CUBE
- 小規模ビジネスでのWebサイト→WiX、Jimdo
本稿を参考に、自社に最適なCMSをぜひ選択してください。
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