【日本/海外】デジタルトランスフォーメーション事例9選!課題や成功の秘訣とは?

2020年10月30日

自社でのデジタルトランスフォーメーションを検討中の企業が増えています。

この記事では、企業のデジタルトランスフォーメーションや、導入に際しての事例を紹介しつつ、課題解決のためのヒントを探ります。

【事例のまえに】デジタルトランスフォーメーションとは?

デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術でビジネスを改革することです。顧客データ管理などの事業システムのデジタル化や統合、顧客へのサービス提供方法など、業務改善とビジネスモデル改革を両輪として、デジタル社会に適する形へと変化させていくことを意味しています。

デジタルトランスフォーメーションの意味については、こちらの「DXの意味とは?デジタルトランスフォーメーションをわかりやすく解説 」の記事も併せて参考にしてみてください。

政府は、

「あらゆる産業において、新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起ころうとしています。こうした中、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められています。」

https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010.html

と説明しています。このように企業は、デジタルトランスフォーメーションによって新たなビジネスチャンスを掴む可能性があると同時に、既存ビジネスへの新規参入者との競争力維持・強化の必要性に迫られています。

このような状況下で、デジタルトランスフォーメーションによる業務効率化や新しい事業モデルの開拓が求められています。

 

日本企業のデジタルトランスフォーメーション化事例4選

日本企業によるデジタルトランスフォーメーションの具体的な事例を紹介します。

日本のデジタルトランスフォーメーション化事例①グンゼ

グンゼ株式会社は、2016年1月6日、NECとの協力により、着るだけで生体情報を計測することができる衣料型のウェアラブルシステムを開発しました。

これは、姿勢、心拍などを計測できるウェアラブルな機能性ウェアとクラウドサービスを利用し他製品です。ユーザーが、手軽に無理なく体に関するデータを可視化することで、健康増進やQOL(生活の質)の向上を期待できます。

グンゼは、運営するスポーツクラブの協力を得ながら、実証実験を開始しています。

日本のデジタルトランスフォーメーション化事例②大塚製薬

大塚製薬株式会社は、2017年10月、脳梗塞患者の薬の飲み忘れを防ぐためのサービスを開始しています。

これは、専用のプラスチックケースとIoT装置を用いたシステムで、服薬時間になるとケースに付属したLEDライトが点滅します。

また、スマホにも服薬時間の通知が届くほか、服薬後には、家族に通知メールを送信することができます。さらに、服薬の記録を元に、医師や薬剤師が服薬指導をすることも可能になります。

日本のデジタルトランスフォーメーション化事例③メルカリ

株式会社メルカリは、2013年7月、誰でも簡単に不用品を販売できるマーケットプレイスを提供しています。

それまでインターネットの中古品市場として主流だったインターネットオークションは、出品手続きの煩雑さや、入札プロセスに要する時間の長さなどの課題がありました。メルカリは、スマートフォンのみで簡単に商品の撮影や出品、メッセージのやりとり、購入ができます。

手軽さとユーザー数の多さから、多くの商品が出品後すぐに売れていることも魅力です。平均して、1時間に約6,400回もの取引が行われるといわれています。

日本のデジタルトランスフォーメーション化事例④トライ

「家庭教師のトライ」というフレーズで有名なトライグループは、2015年7月、無料で視聴できるハイクオリティな映像学習サービス「Try IT」の提供を開始しています。

通学などでスマートフォンを眺めるような短い時間、いわゆる「スキマ時間」を利用して効率的に学習できるよう、1つの授業動画は15分程度に設定。質問がある視聴者は、パソコン、スマートフォンなどの端末上から1回500円で質問が可能となります。

既に100万ユーザーを突破し、新たな学習方法および教育サービスの収益化の形として期待されています。

 

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デジタルトランスフォーメーション化の海外事例5選

ここでは、海外企業のデジタルトランスフォーメーション事例を紹介します。

海外のデジタルトランスフォーメーション化事例①Spotify

日本でも人気を集める定額制音楽配信サービス「Spotify」では、2019年に、全世界での有料会員数が1億800万人に達しています。
Spotifyは、従来のCD購入やレンタル、または、Apple社のiTunesなど音源データのダウンロードが主流だった音楽業界に、サブスクリプション制のサービスを導入しました。
Spotifyは、デジタル技術でユーザーの楽曲購入や選曲の方法を変え、多くのアーティストが楽曲配信に乗り出すなど、音楽業界に大きな影響を与えています。

海外のデジタルトランスフォーメーション化事例②フォルクスワーゲン

ドイツのカーブランド「フォルクスワーゲン」のデジタルトランスフォーメーションの取り組み事例は多岐にわたります。
中でも特筆すべきは、2020年4月から欧州での新車販売がデジタル化されることでしょう。新車購入、ファイナンスなど、購買プロセスの全体を処理するシステムを使用し、オンライン上で車の購入まで完了します。さらに、「ID.」シリーズの電気自動車はすべてオンライン販売に移行する予定です。

そのほか、新車購入から3年間ほど無償で提供され、リアルタイムに交通情報を届ける「Guide & Inform」サービス、iOSやAndroidなどのスマートフォンに入ったアプリを車載システムで利用できる「App-Connect」など、車体のつくりにもデジタルトランスフォーメーションを積極的に導入しています。

海外のデジタルトランスフォーメーション化事例③ブリヂストン

ブリヂストンファイナンス株式会社は、株式会社ブリヂストンなどグループ会社から受託する伝票の起票をデジタル化しました。月間約150件の業務をすべて自動化することに成功しています。
自動化により、社員が他の業務に集中できるようになり、業務効率化につながりました。また、納付書の読み取りなど、そのほかの業務についても、自動化に向けた取り組みが行われています。

海外のデジタルトランスフォーメーション化事例④Airbnb

シェアリングエコノミーの代表例の1つであるAirbnbは、空き部屋などを貸し出して有効活用したいオーナーと、手頃な価格で利用したいユーザーとを結びつけるオンラインマッチングサービスです。2008年に米国でサービスを開始しました。

Airbnbは宿泊・ホテル業ながら、部屋などの不動産を所有せず、部屋を貸し出すオーナーから利用料を徴収するビジネスモデルが特徴的です。

2019年には、世界全体でのサービス利用者が5億人を超えたとされています。

海外のデジタルトランスフォーメーション化事例⑤WeWork

2019年に日本に進出したWeWorkは、コワーキングスペースなどシェアオフィス事業を展開しています。

不動産の遊休資産をWeWorkが借り上げ、BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)を利用して、オフィスを設計・施工します。

WeWorkとソフトバンクの合弁会社であるWeWork Japanは、約2年半で、約2万2000人を超える会員数を獲得するなど拡大し続けています。

 

デジタルトランスフォーメーションの事例から見る課題とヒント

ここまで見てきた日本・海外企業のデジタルトランスフォーメーションの導入事例から、課題と解決のためのヒントを紹介します。

デジタルトランスフォーメーションの課題とは?

デジタルトランスフォーメーションの課題として、「自社への導入の具体的なイメージやビジネスモデルのアイデアがない」「どのようなシステムを取り入れればいいのかがわからない」ことなどが挙げられます。

具体的な導入イメージについては、この記事でご紹介したように、既にデジタルトランスフォーメーションを導入し、顧客へのサービス内容や自社システムを変革した企業の事例を参考に、自社との共通点を探り、具体的な指針を描いてことが効果的です。 
 
デジタルトランスフォーメーションの導入に際しては、まず、請求書の管理など日ごろの業務に関わるシステムから改革していくことが重要です。既存のデータベースや業務システムが属人化していないか、度重なる改修を経て複雑化していないかなど、業務システムが持続可能な状態であるかどうかをチェックしましょう。

経済産業省は、ブラックボックス化したシステムの維持管理費は今後ますます高騰し、デジタルトランスフォーメーションに必要な投資が難しくなる可能性があると指摘しています。

詳しくは「2025年の崖とは?わかりやすく解説―ITシステムの課題と経済産業省レポート 」の記事をご覧ください。

デジタルトランスフォーメーションの事例に学ぶ、成功するための秘訣

デジタルトランスフォーメーションに向け、顧客へのサービス内容や自社システムを変革した企業の事例を参考にしながら、自社のビジネスモデルなどを検討していくことが重要です。
 
また、既存システムのブラックボックス化を早い段階で回避することが、デジタルトランスフォーメーション関連投資の削減に繋がります。

先述の通り、効果的なデジタルトランスフォーメーションの第一歩は、普段から利用する業務システムのデジタル化・改善です。
日常的に使うシステムであればこそ、改修には多くのコストと手間がかかりますが、それだけ効率化による人件費やそのほかのリソースに与える影響が大きいといえます。

例えば、デジタルトランスフォーメーションの事例として紹介したブリヂストンは、帳票管理業務をデジタル化することで、人材をより重要な業務に割り当てました。

デジタルトランスフォーメーションにコストがかかることは事実です。しかし経済産業省によれば、現在のシステムを継続して使用すると、2025年以降、システムの維持管理費がIT予算の9割以上に達すると試算されています。レガシーシステムに足を取られないうちに、既存データの改革を先行投資しておく価値は高いといえるでしょう。

デジタルトランスフォーメーションは、課題もある一方で、得られる効果は非常に大きいものです。

 

この記事では、日本・海外企業のデジタルトランスフォーメーション事例を紹介しました。事例を参考に新しいビジネスモデルを検討しつつ、まずは業務システムのデジタル化および改善から手を付けてみるのはいかがでしょうか。

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