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同じものに思える「収入」と「所得」。実は税法上では別物として扱われます。
この2つの言葉の違いを知っておくことで、所得税や源泉徴収などの仕組みも分かりやすくなります。
収入と所得の違い
まず、収入とは、単純な売り上げのことを指します。
たとえば、八百屋さんが1ヶ月お店を開いて、100万円の売り上げが出たとします、この100万円が八百屋さんの「収入」です。
一方、所得とは、収入から野菜の仕入れ代金、店の家賃、従業員への給料など、水道光熱費など、事業に必要な経費を差し引いた額が八百屋さんの「所得」とされます。
税法上は、この所得に税金が課せられます。
つまり、単純な売り上げである「収入」には、税金がかからず、必要経費を差し引いた金額が、課税対象となる「所得」となるのです。
これをまとめると「収入-必要経費=所得」となります。
収入と所得が分けられている理由
このような措置がとられているのは、単純な売り上げである「収入」に課税を行うと、
支払う税金が高くなってしまい、生活レベルが下がってしまう国民が増えてしまうため。
「必要経費」は、収入を得るために必要なものなので、「収入」から差し引くことが認められ、差し引き後の「所得」に課税される仕組みになっているのです。
厳密にお話すると、働く業種によって、税法上の所得の区分は10種類ほどに分けられるのですが、
「収入-必要経費=所得」という基本的な原則は変わりません。
個人事業主の場合は、この式を覚えておけば問題はないと思います。
所得税と源泉徴収
所得税は収入から必要経費を差し引いた所得から、
生命保険料控除、損害保険料控除、住宅取得控除などの各種控除を差し引いた金額に対してかけられる税金です。
また、源泉徴収は、国が税金の徴収をスムーズに行うために、「収入」にあらかじめ税金をかけて回収しておき、確定申告のタイミングで納税者から「所得」を申告してもらい、もらいすぎた税金を払い戻す、という仕組みです。
わかりづらい「所得税」や「源泉徴収」という仕組みも、「収入」「所得」「必要経費」という単語の意味を理解していると分かりやすくなります。
この文章を読まれている方は、年度末の確定申告の時に備えて、日々発行される領収書を保管している方が多いと思います。
先述したように、領収書は必要経費を支払った証明になり、「収入」と「所得」を分けるための大事な書類ですので、大切に保存しておきましょう。