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[非表示]英語で見積りをやり取りする際には、文化の違いや専門的な英単語などに慣れていないと困ることがあります。
この記事では、見積書を依頼する場合、作成する場合それぞれについて、英語での表現ややり取りの方法を解説します。
英語で見積書は「Cost estimate」「Quotation」。2つの違いは?
見積書は、取引を行う始めの一歩として、商品名・個数・単価などが記載された書類です。日本の商習慣には概算見積書と正式見積書がありますが、英語でも次の2つの表現があります。
- Cost estimate(コスト エスティメイト):概算見積り
- Quotation(クオテイション):正式見積り、または確定見積り
金額など変更がある可能性を含むものが概算見積り、詳細を盛り込み、正確に算出されたものが正式見積り(確定見積り)となります。
英語で見積書を依頼するには?メールでの依頼方法を解説
英語でのビジネスメールは、簡潔に内容を伝えることを優先とします。以下のような決まった形式で作成することで内容を伝わりやすくし、取引を円滑に進めます。
- 件名
- 宛名
- 書き出し(挨拶・感謝・お礼など)
- 本文
- 結びの表現
- 署名
では、さっそく例文で日本語訳と共に流れをみて行きましょう。
———————————————-
①Title: Request for quotation
見積り依頼の件
②Dear Mr. Johnson
ジョンソンさま
Thank you for your prompt reply.
早々にお返事いただきありがとうございます。
③We saw your website and are now considering importing of #No.1A2B3C.
貴社のWEBページを拝見し、現在 1A2B3C の輸入を検討しております。
④We would like to have your quotation on a CIF basis for the following items.
運賃保険料込の価格で、以下の商品の見積もりをお願いします。
・No.1A2B3C-11 50 units
・No.1A2B3C-22 50 units
⑤We would appreciate it very much if you could send us a quotation by June 15th.
6月15日までにお見積もりをいただけると幸いです。
⑥Best regards,
よろしくお願いいたします。
⑦Satoshi Satou
*********************************
Satoshi Satou
Marketing Department
○○○ Inc.
Tel: +81-3-△△△△-□□□□ Fax: +81-3-△△△△-××××
*********************************
佐藤 悟
マーケティング部
株式会社○○○
電話番号: +81-3-△△△△-□□□□ Fax番号: +81-3-△△△△-××××
———————————————-
① 件名
見積り依頼の際には、相手にメールの内容が伝わりやすい表現を使います。
RFQは Request for quotation の略語です。
・Request for quotation (見積り依頼の件)
・RFQ for (商品名)> (<商品名>の見積もり依頼の件)
② 宛名
送信相手が明確な場合は”Dear”を使い名前を明記するのが一般的です。しかし、送信相手が特定できない場合は役職や「ご担当者様」と類似したニュアンスの語を用います。
・Dear Accounting Staff, (経理部ご担当者様)
・To whom it may concern,(ご担当者様)
③ 見積りを依頼する理由
なぜ見積り依頼を行うに至ったのか、理由があれば簡単に記載します。
・We would like to purchase <商品名> from your company.(御社から<商品名>の購入を希望しております)
また、依頼が確定ではない場合は”consider(検討する)”などの表現を使いましょう。
・We are considering importing <商品名>.(御社から<商品名>の輸入を検討しております。)
④ 見積りを依頼
“want to”ではなく、丁寧語の”would like to”を使い依頼事項を記載します。
・We would like to get(またはhave) your quotation.(見積りをお願いします。)
条件を追記したい場合は”for the following items(以下の項目で)”と記載し、条件等を付与すると良いでしょう。
⑤ 期限
丁寧に依頼をする場合は”I would appreciate it if you could ~(~していただけると幸いです)”のような表現を使います。
⑥ 結びの表現
初めてやり取りをする場合や、相手が目上の人の場合には、フォーマルな”Sincerely”を使います。面識のある人には、比較的カジュアルな”Regards”を使うなど、ニュアンスを理解して使い分けます。
・Sincerely yours,:最もフォーマルな形式
・Best regards,:面識のある相手に親しみを込めて使うビジネスカジュアルな形式
⑦ 署名
署名は次のような順が一般的です。
1~3の順序が正しければ、後続の順序は問いません。
- 名前
- 部署名
- 会社名
- 会社住所
- E-mailアドレス
- 電話番号・FAX番号
- 自社WebサイトのURL
見積書の依頼時に知っておきたい英語表現
見積書を依頼する際には、次の英語表現を知っておくと便利です。
suggested retail price | 希望小売価格 |
相手に価格を確認する場合に使われます。 | |
delivery(deadline) | 納期 |
相手に納期を確認する場合や依頼時に指示したい場合に使われます。 | |
conditions of sale | 販売条件 |
相手に条件を確認する場合に使われます。 | |
methods of payment | 支払方法 |
相手に支払方法を確認する場合に使われます。 | |
Place of delivery | 荷渡し場所,納入場所 |
輸送責任が完了する場所として指定地を確認する場合に使われます。 | |
ditto | 同上 |
表を用いた見積り依頼などで繰り返しの説明を省く目的で使われます。 | |
remarks | 備考,特記事項 |
補足事項などを記載する際に使われます。 |
英語で見積書を作成・発行するには?記載項目やメール送付を解説
英語で見積書を作成する場合、一般的に次のような項目を含めます。
- タイトル
- 発行日
- 見積書番号
- 有効期限(※)
- 自社連絡先
- 取引先
- 担当者のサイン
- 見積明細
- 取引条件(※)
英語と日本語で作成した見積書に違いはほとんどありません。そのため、普段ビジネスで使用している見積書を翻訳して利用できます。
ただし、海外とのやり取りでは手数料などの金額をどちらが負担するのか明確にしておくことが大切です。また、仕入れ価格の変動も考慮し、※マークの項目は忘れず含めておきましょう。
英語での見積書送付メールの書き方
見積書を送付する際には、次のような流れでメールを作成します。
———————————————-
Title: Re: Request for quotation
Dear Satou,
①Thank you for your request for a quotation.
お見積りを申込いただきありがとうございます。
②We have attached our quotation as a PDF file.
PDFファイルにて弊社の見積書を添付させていただきました。
③We look forward to working with you.
お取引できることを楽しみにしています。
④If you have any questions, please don’t hesitate to let us know.
ご不明な点がございましたら、遠慮なくお知らせください。
Best regards,
James Johnson
———————————————-
①お礼の言葉
見積り依頼をいただけたことへの感謝を含めます。thanks よりも Thank you と省略せず記載することで、フォーマルな印象を与えます。
②添付したことを明記
見積書を添付したことを明記します。”as~(~として)”と付けると、ファイル形式を伝えることができます。
③製品アピールや要望
製品のアピールや注文への期待の言葉を記載します。”~を楽しみにしている”という内容をビジネスシーンで表現するには”look forward to ~”を使います。
④フォロー
“feel free to contact(気軽に問い合わせる)” や “don’t hesitate (遠慮なく)”を使い気軽に問い合わせてほしいことを表現します。
- please feel free to contact us.(お気軽にお問い合わせ下さい)
- please don’t hesitate to get in touch.(遠慮なくご連絡ください)
なお、日本語による見積書の無料フォーマットや見積書の説明詳細は「見積書 | エクセルテンプレート/フォーマット集」ご参照ください。
英語の見積書作成時に知っておきたい英語表現
英語見積書を作成する際には、次の英語表現を知っておくと便利です。
Price per unit (USD) | 単価(アメリカドル) |
Amount (USD) | 金額(アメリカドル) |
Subtotal | 小計 |
Discounts | 割引 |
Taxes | 消費税 |
Total | 総額 |
見積書の明細部分に使われます。ドルはアメリカドル以外(豪ドルやカナダドルなど)を利用する場合は通貨の単位に十分に注意しましょう。 | |
Prepared by | ~が準備した |
見積書を作成した担当者の名前(手書き)を入れます。 | |
shipping | 発送,発送費用 |
見積り送付時や依頼時に使われます。送料を含めた見積書では”Shipping”として発送費用のみが記載されている場合もあります。 | |
Method of shipment | 発送方法 |
航空便(Air Freight)や船便(Sea Freight)など発送方法を明記する場合に使われます。 | |
Merchandise | 商品 |
商品紹介時などに使われます。 | |
Validity period of quotation valid until ~ Valid for ~ | 見積有効期間 ~まで有効 ~間有効 |
有効期限を示す場合に使われます。例文のように表現の違いに注意しましょう。 ・This quote is valid until the end of August 2020. (本見積りは2000年8月末まで有効です。) ・This quote is valid for 30 days. (本見積りは30日間有効です。) | |
charge | サービスに対する費用,手数料 |
fee | 専門性が高いサービスに対する費用,手数料 |
bank transfers | 銀行振込 |
見積書の特記事項などの部分で条件を提示する場合に使われます。 ・The buyer is responsible for all charges and fees associated with bank transfers. (銀行振込に関する全ての手数料はお客様のご負担となります。) | |
To be determined (TBD) | 未定,未確定,未決定 |
見積書を発送するタイミングで未定である場合に使われます。 | |
COD | 現金着払い,代引き Cash On Deliveryの略で代金と引換えに荷物を渡すことです。 |
支払条件の提示時に使われます。 |
英語のビジネスメールは簡潔に要件を伝えることがポイントです。長い文章を作成する必要はなく、定型文や形式を覚えれば誰でも簡単に見積書を依頼・作成することができます。
この記事が例文やテンプレートがビジネスのお役に立てますと幸いです。
効率的な見積書作成のために
見積書の作成には、Excelなどの表計算ソフトを利用されている方も多いのではないでしょうか。表計算ソフトの利用により、手書きと比較すると短い時間で書類を作成することができます。 しかし表計算ソフトの場合、書類の作成量が増えるにつれて、作成に時間がかかり、コピー&ペーストによる人的ミスも発生しやすくなります。
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