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[非表示]在宅勤務の増加などによって、帳票作成も、従来のような手書きからデジタルへの移行が進んできました。
本稿では、多くの企業が導入しているSFA/CRM(営業支援/顧客管理)ツールであるSalesforce(セールスフォース)を利用しながら、効率的に帳票を扱うためのツールをご紹介します。
帳票とはなにか
帳票は、見積書や請求書といった、ビジネスに欠かせない書類のことを指します。お金に関わる書類だけでなく、稟議書や作業指示書といった内部的な文書も含まれます。
これまで、日本の企業では帳票を紙で作成することを前提として業務を設計してきました。しかし、デジタル化が進む今日、日常の業務をスムーズに遂行するためには、こうした帳票をデジタルでも扱えるようにするというニーズが高まっています。
Salesforce(セールスフォース)での帳票作成方法とその課題
帳票の作成が必要な方の中には、Salesforce(CRM(顧客関係管理)システム)を導入していて、Salesforceで帳票を扱いたいという方も少なくありません。
しかし、Salesforceはアメリカで開発されたソフトウェアのため、アメリカと日本の商習慣の違いから、Salesforceに標準装備されている帳票機能を日本のビジネスで活用する場合はいくつかの課題があります。
ここでは、Salesforceで帳票を作成する方法とその課題をご紹介しましょう。
標準の差し込み機能で出力する
Microsoft Wordを利用して、標準の差し込み機能で帳票を出力します。ただし、この場合はWindowsのOSバージョンやWordのバージョンによって制約が生じることがあります。
拡張差し込み機能を使ってダウンロードする
拡張差し込み機能を使って、Salesforce側で作成した帳票をダウンロードすることが可能です。ただし「複数のオブジェクトデータをまとめられない」「操作が煩雑」「出力後の改変ができてしまう」などの課題があります。
VisualForceを使用する
Salesforceにおけるカスタマイズ機能の1つである「VisualForce(画面のレイアウトや見た目を変更できる機能)」を使う方法もありますが、帳票のレイアウト作成にあたってHTMLの知識が必要となり、場合によってはカスタマイズのために開発コストがかかるなど、導入にはハードルがあります。
APIと連携する
SalesforceのデータとAPI(他のソフトウェアと機能を共有できるようにした仕組み)で連携させ、独自の帳票出力システムを作ることも考えられます。しかしこの方法では、別のシステムを開発する時間とその運用、さらにメンテナンスコストも発生します。優秀なSEやプログラマーが所属するIT部門を持つような大企業か、こういったシステムを外注できるような資金を持ち合わせている企業でないと実現が難しいことが考えられます。
帳票作成ツールを利用するメリットとは
こうしたSalesforceの帳票に関する課題を解決するために、Salesforceと連動した帳票作成を可能にするツールが数社から提供されています。それらを利用することで、以下のようなメリットがあります。
自由度が高く、デザイン性のある帳票が作成可能
Salesforceと帳票作成ツールを連動することにより、自由度が高くデザイン性のある帳票を作成できます。ツールによって多少の違いはあるものの、固定帳票や、Salesforce単体では難しい可変帳票などにも対応可能です。
また、多くのツールには帳票のテンプレートが用意されており、テンプレートをカスタマイズすることで自社の帳票を簡単に作成できます。あるいは、PDFやExcelファイルをインポートすることでテンプレートを作成する機能を持つツールもあります。
簡単に導入・開発が可能
帳票作成ツールの多くはクラウドサービスとして提供されており、初期費用が安価だったり、出力した帳票の数に応じた月額プランを採用していたりします。そのため、作成する帳票のボリュームに応じてコストの最適化が可能で、中小企業でも導入しやすいと言えます。
セキュリティとメンテナンスをツール運営企業に任せられる
クラウドの帳票作成ツールを利用することによって、セキュリティやツールのメンテナンスを、ツールを提供する企業に任せることができます。また、ツールの改善や最新機能が随時追加される点も、クラウドサービスの魅力と言えるでしょう。
帳票作成ツールを選ぶポイント
それでは、Saleforceとの連携に対応した帳票作成ツールを選ぶポイントについて解説します。
帳票レイアウトの自由度とテンプレートの種類
自社で使用している帳票のレイアウトやデザインを再現できるかを確認しましょう。基本的には、用意されているテンプレートの中から最も近いレイアウトをベースに調整して作成するため、テンプレートの種類が豊富なほど、帳票を作成しやすくなる可能性があります。そのため、テンプレート数はツール比較の際の大きなポイントです。
他サービスとの連携
帳票作成ツールの中には、Salesforceだけではなく、社内システムや他のクラウドサービス、Excelのような業務ツールなどと連携できるものもあります。社内業務を一元化したい場合などは、この機能は非常に重要です。
価格
帳票作成ツールの多くはクラウドで提供されているため、月額費用が発生します。月額費用は、作成できる帳票の数や利用できるユーザー数によって変動することもあるため、自社での利用ボリュームなどを参考に見積もると良いでしょう。また、中には初期費用が必要なツールもあるので、コストを把握するためによく確認することをおすすめします。
おすすめツール紹介
それでは、おすすめの帳票作成ツールをご紹介しましょう。
LinkPrint CLOUD
画像出典元:LinkPrint CLOUD
LinkPrint CLOUDは、ティービー株式会社が提供する帳票作成ツールです。単体でも利用できますが、API機能を搭載しているため、Salesforceや他のシステムとも連携できます。
帳票の出力はPDFで行われ、ダウンロードURLを顧客に送付するWeb発行機能を持ちます。その他、自動印刷機能など、基本的な帳票機能が搭載されています。
100種類以上のテンプレートの中から、既存の帳票に近いデザインを選んでカスタマイズすることで、帳票の初期設定を簡略化することができます。
帳票の作成方法 | 画面上で1から作成する方法と、テンプレートを編集する方法の2種類 |
テンプレートの種類 | 100種類以上 |
他サービスとの連携 | 可能 |
価格 | 要問い合わせ |
Fleekform
画像出典元:Fleekform公式サイト
Fleekformは株式会社Fleekdriveが提供する帳票作成ツールです。Excelファイルから帳票デザインを作成する機能を持っているため、これまでExcelで帳票類を作成していた企業は移行しやすいです。
また、AIによる類似画像の検索機能や、細やかな権限機能を持つファイル共有機能なども実装しています。
帳票の作成方法 | Excelファイルで作成した帳票をインポートする |
テンプレートの種類 | 200種類以上 |
他サービスとの連携 | 可能 |
価格 | 月額29,000円(税抜)?※1年間継続して利用することが条件 |
Smart Report Meister
画像出典元:Smart Report Meister
Smart Report Meisterは、日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社が提供する帳票作成ツールです。オンプレミスのSalesforceに対応し、データを外部サーバーに保存しません。セキュリティポリシーなどで、外部サーバーに情報を置くことができない企業では重宝するツールです。
PDF出力はもちろん、Excel出力にも対応しているため、出力後のデータを加工したいというニーズにも対応できます。
帳票の作成方法 | Salesforce内でドラッグアンドドロップによって配置する |
テンプレートの種類 | 不明 |
他サービスとの連携 | 可能 |
価格 | 要問い合わせ |
MakeLeaps for SalesForce(メイクリープスフォーセールスフォース)
画像出典元:MakeLeaps for SalesForce公式サイト
MakeLeaps for SalesForceは、メイクリープス株式会社の提供する帳票作成ツールです。MakeLeapsは請求書発行サービスであり、SalesForceを連携させて利用できます。
帳票作成だけではなく、一括請求機能や入金・送金、請求書の郵送代行など、請求書管理にまつわる業務に対応する機能が豊富に用意されています。
帳票の作成方法 | 規定のテンプレートから選択 |
テンプレートの種類 | 複数あり |
他サービスとの連携 | 可能 |
価格体系 | 30,000円/月(税抜)? |
まとめ
一言にSalesForceと連携する帳票作成ツールといっても、さまざまな機能を持つツールがたくさんあります。ここまで紹介したツールとおすすめの方の特徴を以下にまとめました。
- デザイン性を重視したい → LinkPrint CLOUDがおすすめ
- Excelで作成している帳票を移行したい → Fleekformがおすすめ
- セキュリティを重視したい → Smart Report Meisterがおすすめ
- 請求書業務全体を効率化したい → MakeLeaps 4 SalesForceがおすすめ
中でも、請求書関連業務を効率化したいのであれば、MakeLeaps for SalesForceがおすすめです。
MakeLeaps for SalesForceは初期費用が無料、かつユーザー数が無制限*で利用できるため導入しやすく、今後利用する社員が増えていくフェーズの企業においても、先々のコストの見通しが立てやすくなります。
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