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[非表示]2019年10月から導入された新しい消費税は10%。また、軽減税率が適用される持ち帰りの食品と新聞は8%です。
それに伴い、数年後に導入されるインボイス制度。
ただでさえ消費税率の引き上げの影響でちょっとした混乱が続いているさなか、キャッシュレス決済を普及させるための「ポイント還元」も加わり、さらに話は複雑化しています。
企業の経理担当者の皆様も、複雑な計算と葛藤しているところではないでしょうか。
この記事では、そんな消費税の種類について、わかりやすく解説します。
消費税率引き上げによって、5種類の税率に
上で挙げた、「消費税率引き上げ」「インボイス制度」「ポイント還元」などの消費税改定にまつわる制度は、全部が関連しているように見えて、実は全く違うものです。
新消費税、軽減税率、インボイス制度、ポイント還元などが並行して存在する現在、とうとう5種類の消費税率が存在するという事態になっていることをご存知でしょうか。
5種類の消費税率が存在してしまった原因として、次のような事柄が関係しています。
- 消費税が10%に改定
- 軽減税率が適用される商品の存在
- キャッシュレス決済
- ポイント還元
- ポイント還元の還元率の違い
- ポイント還元しない店の存在
実は、こうした項目が街と店頭で絡み合って、5種類の消費税を生み出すこととなっています。
5種類の消費税率の内訳は?ポイント還元が肝!
5種類の消費税なんて初めて聞いたという人も多いかもしれません。
続いては、5種類の消費税の内訳をご紹介します。
図の通り、ポイント還元が2%や5%とケースによって異なるため、消費者が実際に負担する税率は3%~10%の5種類が存在しています。
図の通り、還元率の違いを引き起こしているのが、店舗の大きさや契約形態による還元率の設定です。以下で詳しく説明します。
キャッシュレス決済のポイント還元率は0%、2%、5%の3種類
まず、大企業が運営する店舗では、キャッシュレス決済によるポイント還元がありません。つまり、還元率は0%です。
しかし、大手チェーンに属しているフランチャイズ(個人オーナー)店舗の場合は、2%のポイント還元が受けられます。
例えばコンビニチェーンの場合、直営店なら還元率は0%ですが、フランチャイズ店では2%還元されるわけです。私たちにとっては全く同じ店なのですが、ポイントを確認してびっくり、という場合が生じます。
さらに、大手チェーン店のフランチャイズではない、いわゆる「個人商店」の場合、キャッシュレス決済のポイント還元率はさらに増えて5%となります。
つまり、消費税率が10%の商品を、百貨店や大手スーパーなどの大企業の店舗で買えば、ポイント還元がないため、消費者は「10%」を全て負担することになります。
しかし、個人経営の文具店など中小店舗で買えば、5%のポイント還元があるため「実質の消費税率は5%」となります。
また、外食など大企業のフランチャイズ加盟店で購入すれば、消費税の10%から2%のポイント還元を差し引いて「実質8%」になります。
ここまでの消費税率の種類をまとめましょう。
- 消費税率10%
通常商品の現金での購入や、大手スーパー・百貨店でのキャッシュレス決済の場合 - 消費税率8%
軽減税率の商品を現金で購入した場合や、軽減税率の商品を大手スーパー・百貨店でのキャッシュレス決済した場合。
また、コンビニで通常商品をキャッシュレス決済した場合(10%-2%=8%) - 消費税率6%
軽減税率の商品をコンビニでキャッシュレス決済した場合(8%-2%=6%) - 消費税率5%
通常商品を中小個人商店でキャッシュレス決済した場合(10%-5%=5%) - 消費税率3%
軽減税率の商品を中小個人商店でキャッシュレス決済した場合(8%-5%=3%)
同様に、軽減税率が適用される消費税率8%の商品でも、購入する店などによって、実質税率が「8%」「6%」「3%」の3種類となるわけです。
消費税率引き上げの影響を受けないお店の種類とは?
お得に買い物をするために、キャッシュレス決済のポイント還元率が高いお店を見つけたいものですね。
探し方・見分け方は簡単です。店頭などに掲示される「還元店ステッカー」の有無でわかります。下記のようなステッカーやポスターを店頭で目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
(経済産業省Webサイトより)
このようなステッカーが貼られているお店では、5%還元されるため、実質の消費税負担額は3%または5%になります。
これは、ネットショッピングでも同じことが言えます。
Yahoo!ショッピングなどのオンライン店舗でも、あくまで出店者が中小であれば5%の還元対象ということになるわけです。これもWEBページなどで「還元店ロゴ」の有無を確認する必要があります。
ここまで、5種類の消費税率についてわかりやすく解説しました。
5種類の消費税が存在することを理解した上で、日々の生活にかかる消費税について、改めて考え、賢いお買い物にお役立てください。